匂い 音
煩雑な毎日から,少しだけ抜け出せるようになった。気づけば自分の心はそこに浸りこみ,抜け出す努力さえ怠っていたのだと思う。
セルフメンテナンスのため,砧公園を散歩。
桜花の散った公園には湿った土の匂いが戻っていた。
夜,藤の湯へ。背中と気泡の当たる場所を合わせながら,誰もいない浴場の,一列に並んだ蛇口を眺める。
耳元で弾ける気泡の音は高周波となって,脳幹に響くようで心地よい。
司会者がいたら,天使の拍手と言うだろうか。どちらかというと喝采か。
勢いを伴わなくても,求めることを達成できる。それをやっと知った。
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